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JNF活動レポート海外研修セミナー
2008/03/20

【カリフォルニア大学デイビス校】

健康やサプリメントビジネスのメッカ、アメリカ西海岸を中心に最新の健康業界事情やサプリメント市場など、 健康先進国アメリカの今を理解し、さらなるスキルアップに役立てる日本ニュートリション協会ならではの 「サプリメントアドバイザー米国研修コース」。

2008年研修の模様をレポートいたします。

カリフォルニア大学デイビス校にて
栄養学部Robert B. Rucker教授/栄養学部研究Robert M. Hackman教授の講義

 

カリフォルニア大学デイビス校
Robert B. Rucker教授は、(University of California Department of Nutrition / Professor Department of Nutrition and Biological Chemistry) サプリメントの分野で、世界的に有名な先生です。サプリメントについて、コンサルティング業界、ほか法律関係の方面での経験が豊富であり、 特に、裁判所などで、サプリメントの専門証専門証人としても活躍しています。

また、Robert M. Hackman教授は(University of California Department of Nutrition / Research Professor)サプリメントの効能・使用法などについて コンサルティングの活動を行っており、日本企業との付き合いもあり実戦的な経験が豊富な先生です。2名の栄養学部の教授のセミナーを受講です。

Robert B. Rucker教授
現在のアメリカにおけるサプリメントの市場規模は、800億ドル~1,000億ドルの間であると言われています。 典型的なアメリカの家族が自然食品・サプリメント・その他の自然製品に年間200ドル~500ドルを費やしているというデータがあります。 現在、アメリカではサプリメントに対する不信感が強くなっている傾向がみられます。

ひとつは、消費者同士での情報のやりとりが増えたことによるもの(効能について、それほど効果がないのではないかなどの類の情報)が背景にあり、 また、多くの製品が中国製であることから安全性への不安も消費者の中で出ているとRucker教授は語ります。この様な背景の中で、 これから製品を売るためには安全性・効能などが証明されているものでなければならないという期待感が高まっています。 これは、3~4年前には無かった現象であり、これから3~4年の間は、より製品をめぐった規制情報がアメリカをはじめ諸外国でも厳しくなっていくであろうとRucker教授は語ります。

Robert M. Hackman教授
アメリカでは、サプリメントは統計的なデータで証明されなければならない環境にあり、さらに臨床的に確認される必要もあります。 ピアレビュー(*専門家が研究内容を吟味すること。科学者などの間で、研究の成果などを実情なしに公正に評価するために行われる)をきちんと行うこと、 あるいは何らかの臨床誌に取り上げられることが非常に大切になってきているそうです。

また、Hackman教授の講義では、アメリカにおける肥満の問題点にも触れました。アメリカ人は日本人ほど長寿ではありませんが、かなりの長寿社会です。 この医療費を誰が負担するのか非常に大きな問題になってきています。特に血管疾患についてですが、アメリカの成人25%は、何らかの心臓欠陥病であるそうです。 1億800万人の成人が、ハイコレステロールレベルであり、また5,300万人が高血圧に悩まされています。日本人は、アメリカ人ほど肥満ではありませんが、 それでもメタボリックシンドロームという内臓脂肪など今日、非常に大きな問題になっており、日本人・アメリカ人に関係なく、 こういった健康問題を抱える人たちの医療費の負担は、今の制度では負担しきれないといった現状があります。心臓疾患による死亡率は20~30年前に比べ、 食事スタイル・ライフスタイルの変化により死亡率が上がっているのです。
NIH(米国国立衛生研究所)内のCAM(アメリカ国立補完代替医療センター)では、 補完代替医療で、ハーブ・漢方・サプリメントを利用し人々の健康を促進する活動が行われています。アメリカでは、 補完代替医療分野に関する調査の予算が増えており、これから期待をされている分野です。

また、Hackman教授は、2008年3月14日(金)~16日(日)に開催された、アナハイムでの世界健康博覧会「Natural Products Expo West」についても語ってくれました。
アメリカでは、企業が焦点をあてている3つの重要な分野があります。

1.エネルギーUP
2.体重を減らすこと、正常な体重を維持すること
3.心臓血管機能の改善・維持
(4.運動後のエネルギー回復)

アメリカには200種以上のエネルギー飲料があり、これらの飲料の多くにはエネルギー源となるカフェイン、糖分が含まれています。エネルギーは飲料に限りません。 例に挙げると、スニッカーズには1カップのコーヒーと同様、60mgのカフェインが含まれています。参考までに、ソフトドリンクであると1本約20~40mgのカフェイン、 コーヒーには65~120mg、レッドブルの様なエネルギー飲料には72~120mgのカフェインが含まれています。1本の中に、500mg(コーヒー4~5杯分)のカフェインが 含まれている製品もあり、キャンディーやガム、ミントの中にもカフェインが含まれている製品もあります。また、これからのビジネスとして、 飲料に有効成分を加えた製品は非常に伸びるといわれています。

その他、アメリカの現実を聞き、メンバーはアメリカの実情を改めて認識。まだまだ課題があるのはどこの国も同じであることを実感した非常に勉強になる講義でした。
この後、教室でRucker教授/Hackman 教授から「受講終了証」を一人ひとり手渡され、記念の写真に納まりました。事務局のスタッフも教授と情報交換する中で、 今後も積極的に日本ニュートリション協会とカリフォルニア大学の交流を促進していくと合意しました。
両教授による受講終了証の授与

無事帰国です

2008年3月20日(木曜日)「サプリメントアドバイザー アメリカ研修旅行2008」のメンバーは無事、成田空港に降り立ちました。 事務局といたしましてもご参加された皆様にとって、このツアーが末永く貴重な経験とキャリアとして、皆様のお仕事や研究といった実践の場に生かされることを願って止みません。

日本ニュートリション協会事務局