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2016/09/28

NO.48 消臭・除菌スプレーは大丈夫なのか!

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TVコマーシャルで、日光より除菌に優れている?と謳っている消臭・除菌スプレー。

私はCMを見るたびに、1本分を1回で使い切るくらい、カーペットやお布団、ソファなどにシュッシュとふりかけて体に悪くないの?と感じていました。
それに、あれがお陽さまと同じ効果だとはとうてい思えないですし、返って湿気を増やすことになり、気持ち悪くなりそうな気がしていました。もちろん汚れは落ちませんが、汚れまで落ちそうなCMですよね。

今回は、消臭・除菌スプレーの危険性について考えてみます。

 

除菌成分は、実は猛毒!

2015年に、除菌成分(第四級アンモニウム塩)によって、メスのマウスで妊娠率や生まれる胎仔数の減少、オスで精子濃度や運動性が減少したという研究が米国で発表されました。そして環境団体が警告を発表しています。

第四級アンモニウム塩は、経口致死量1~3グラムの猛毒。

調べてみると、消臭・除菌スプレーに成分表示がちゃんとされていません。「トウモロコシ由来消臭成分」配合と表示されていたりしますが、実際に除菌作用をしているのは、天然成分ではなく化学物質です。また除菌・消臭スプレーは、家庭用品品質表示法の対象外で、台所用洗剤や洗濯用洗剤のように成分を詳細表示する必要はないのです。

だから「除菌成分(有機系)」などという、消費者にはわかりにくい曖昧な表示で、第四級アンモニウム塩などの危険な成分が入っていることが多いといわれています。

 

子どもや体力が低下している人、ペットはご注意!

カーペットにあんなにシュッシュして、ハイハイする赤ちゃんや小さな子供にはどうなのかと思っていましたが、やっぱり子供や赤ちゃん、妊娠を希望する若い人たちには、特に危険ということですね。

最近ペットの肝臓疾患が増えているようで、獣医さんから消臭・除菌スプレーを使用していないかと指摘されたとのこと。動物を室内で飼っていると、匂いが気になるのか、よく使用するお家が多いようですが、人間より敏感なペットにはすぐに不調が現れるのかもしれません。

体力が低下している人や、喘息を持っている、呼吸器系が弱い人は、特に使用しない方が良さそうですね。健康な人も、健康を維持したければ使うべきではないように感じます。

 

常在菌の存在意義を知ってうまくつきあう

吊革を持てないとか、友人が家に遊びに来ると、まず風呂に入ってもらわないと家に上げないとか、除菌しまくっているとか、他人とお鍋を食べられないとか…そんな潔癖症の芸能人が、TVでその度合いを競っていましたが、それって単にきれい好きで片付けられるのでしょうか?

人間の体には、たくさんの常在菌が存在します。ある意味、その菌たちと共存して生活しているわけです。常在菌は、主に健康な人の身体に日常的に存在する細菌のことで、住み分けがきちんとできています。腸の中にいる菌、皮膚の上にいる菌など、体の色々な場所に菌は存在し、一緒に生きているわけです。

常在菌が一定のレベルで存在することで、私たちの体を外部の菌からで保ってくれています。抗生物質を飲み過ぎると、その常在菌までが殺されてしまい、別の強力な菌に体が蝕まれてしまったり、ニキビが気になり顔を洗いすぎることで常在菌がいなくなり、かえってニキビを悪化させることもあります。

 

便利なものには、必ず何かマイナス面もある

私たちの免疫力を高く維持することは、常在菌との一定のバランスが保たれていることも大事な要因なのです。きれいにし過ぎることは、かえって自分の健康を損ねてしまう可能性もあるわけです。

消臭・除菌剤に頼るのではなく、こまめに洗って日光に干すことが、昔から清潔に保つための知恵だったと思います。
いつの間にか、シュッシュすることで楽に除菌や消臭ができると、洗脳されてしまっていませんか?

災害があって、土の上での生活が強いられるかもしれません。お風呂に毎日入れないことがあるかもしれません。そんな時に、生きるためには潔癖症ではいられないはずです。

便利なものには、必ず何かマイナス面があるはずです。本当に必要なものなのか、手間を少しかければ別の方法でできるのではないか…、便利なものは良く考えてから利用するべきですね。



山田有希子(薬剤師・サプリメントアドバイザー・ナキュア代表)

   薬科大学卒業後、薬剤師や美容アドバイザーなどを経て2001年
   サプリメントショップを開業。個人顧客からメーカー企業まで幅広く
   事業を展開。日本ニュートリション協会会員。