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2020/05/20

患者さんの愛用の健康食品で飲み合わせや副作用などで困った経験で対応策になったできごとは。(医薬品も含める)

1)医師が処方する医薬品の場合

処方された薬を使っている場合に、良くなったからといって自分の判断でかってに薬を止めてはいけません。
調子が良くなったと感じられるのは薬が効いているからとも考えられます。薬を急に止めたことによって、それまで抑えられていた症状がかえって悪化する場合があるのです。これをリバウンド現象という。

症状が一時的に良くなっても急に薬の使用を中止するのではなく、段階的に量を減らしたり、弱い薬に替えることで、リバウンド現象を防いでいます。

市販薬は一般的に効き目が穏やかなので、リバウンド現象がおこることはほとんどありませんが高血圧の場合血圧が下がったからといって、薬を急に止めてしまうと血圧が反動的に上昇し、脳内出血を起こすことがあります。胃潰瘍の場合痛みがおさまったからといって薬を急に止めてしまうと、治りきっていない潰瘍部分から出血することがあります。これは、薬で胃酸の分泌が抑えられていた状態から、薬を急に中止したことで一気に大量の胃酸が分泌されて、胃潰瘍が再発することもあります。抗菌薬の場合症状が良くなったと思って薬を急に止めてしまうと、細菌が完全に死滅していないために、細菌が再び増殖してしまう場合があります。ステロイド剤の場合体外から強力なステロイド(副腎皮質ホルモン)を与えているため、もともと副腎で造られていたステロイドの量が、以前より減少しています。この状態で薬を急に止めると、炎症を抑えるものがなくなるために、ひどい炎症が再発することがあります

薬が合わない・薬が効いていないと思った場合は、すぐに医師・薬剤師に相談してどうするかを判断しましょう。また、症状が良くなった場合でも自分の判断だけで薬を止めたりするのはいけません。

正しい処方が行われていても薬の効果が現れないことがあります。また、患者さんが副作用などの影響で自分に合わないと判断し、薬を飲むのを止めてしまったりすることがあります。医師や薬剤師に相談すれば、違う薬に替えてもらうことも可能です。命にかかわることもあることもある

同じ薬を漫然と効果もないのに長期間飲むのもよくない。

 

2)どのように薬物療法の中止をするか?

薬物療法の中止を導く臨床試験でのエビデンスは限られているが、広く適用できる原則がある。患者に対して心の準備をさせること、薬物療法中止の必要性を再認識すること、中止または減量のための薬物療法の優先化、中止・減量、そして結果の監視である。

薬を開始するときにはまず、結果を見ながら、効果がないか副作用が起きた場合には薬を中止することを患者に説明する。患者の期待を管理することは、特に重要である。

薬物療法中止を考慮する要素題材は主に4つである。すなわち、①多剤併用、②副作用、③効果の欠如と、④終末期・認知症・痩せが進んできた患者の治療目標の変更である。慎重に、一度に1つの薬剤を中止または減量することにより、どの薬が害をもたらしていたのか、退薬症状が起こった際にはどれを再開すればよいかの指針を明らかにしてくれる。先に中止すべき薬としては抗コリン薬と鎮静剤に着目する。減量や頻度の変更(定期的から必要時に)でもよい。たいがいは急な中止が可能だが、β遮断、ベンゾジアゼピン、副腎皮質ホルモン、オピオイド麻薬、レボドパなどは、重大な退薬症状やリバウンドを起こすことがある。漸減に必要な期間は数日から数ヶ月までさまざまである。仮に、退薬症状やリバウンドが起きたら一旦再開し、後でゆっくりと中止を試みる。中止によって副作用が減った、機能が改善したなどの、プラスの変化を評価する。有益性の評価は薬物療法の中止を進めていく。