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サプリメント関連ニュース
2006/11/21

メタボリックシンドロームとサプリメント

メタボリックシンドロームとは

最近急にあちらこちらで耳にするようになった『メタボリックシンドローム』という言葉。

これは、新たに発覚した病名ではなく、これまで放置されていた「肥満の危険」にメスを入れたものであると言えます。

 

肥満症や高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病は、これまでそれぞれが独立した別の病気と考えられてきました。

しかし実はどれも、肥満(特に内臓に脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満)が原因であるということがわかってきたのです。

 

飽食と運動不足による栄養過剰を原因として、内臓脂肪が蓄積すると、さまざまな生理活性物質が分泌異常をきたし、糖・脂質代謝異常、高血圧、さらには心血管疾患を引き起こします。

これは単に、偶然リスクファクターが集まったのではなく、内臓脂肪蓄積が病気の共通基盤となるということです。

 

そこで、このように内臓脂肪型肥満によって、さまざまな病気が引き起こされやすくなった状態を『メタボリックシンドローム』として、治療の対象としたのです。

 

つまり、これまでは健康診断で「ボーダーライン」だった方も、今後は「ギリギリセーフ」で済まされないということです。

 

 

なぜ今メタボリックシンドロームなの?

それではなぜ、このメタボリックシンドロームが、今これほど大きく取り上げられるようになったのでしょうか。

 

厚生労働省は健康寿命の延伸 をテーマに、2000年より健康づくりを効果的に推進するための「健康日本21」運動に取り組んできました。

これは、2010年度を目処とした、9分野(栄養・食生活、身体活動と運動、休養・こころの健康づくり、たばこ、アルコール、歯の健康、糖尿病、循環器病、がん)にわたる、生活習慣の改善、危険因子の提言、疾病の減少に向けての取り組みです。

 

しかし、それ以降も糖尿病をはじめ、 高血圧、高脂血症など生活習慣病と呼ばれる疾患は増加し続けており、医療費の増加にも歯止めがかかっていないのが現状です。

 

そんな中、2002年にはWHO、NECP(米国)も、メタボリックシンドロームを健康対策として重視する方針を打ち出し、診断基準を発表しています。

 

そこで日本でも、2005年に内科系8学会(日本動脈硬化学会、日本肥満学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本循環器学会、日本内科学会、日本腎臓学会、日本血栓止血学会)が合同委員会を編成し、メタボリックシンドロームの診断基準を作成しました。

 

そして2007年度からは健康診断の項目に、メタボリックシンドロームの判断基準である、ヘソ回りや血清尿酸の測定などが追加されることになっています。

 

さらに産経新聞社およびフジサンケイグループ各社が厚生労働省の後援を得て、2006年「メタボリックシンドローム撲滅委員会」 を発足させ、メタボリックシンドロームの危険性をメディアを使って広く啓蒙し始めたことで、日本中に意識が広がってきたのです。

 

メタボリックシンドロームは、体重減量(とくに内臓脂肪減量)により、確実な予防効果が期待できることから、認知度を上げる ことによって、ダイエット市場の活性化という副産物の狙いもあるのでしょう。

 

 

サプリメントでの対応

サプリメントアドバイザーという仕事をしていて、よく聞かれる質問の一つに「痩せるサプリメントは何がいいですか?」というのがあります。

「あと3キロ痩せたい」「美しくいたい」というのは、女性にとっては永遠のテーマ。

「飲んだら痩せる」魔法の薬を探し求めているのです。

 

世の中には様々なダイエットサプリメントが蔓延しています。

これまでは女性の専売特許であったダイエットサプリメントも、今後は病気予防を目的として必要に迫られた男性にも熱望されるものとなることでしょう。

それではどんなサプリメントがメタボリックシンドロームに効果的なのでしょうか。

 

ダイエット系サプリメントには大きく分けて5つのタイプがあります。

1。消化吸収調節タイプ

消化管の中で働き、脂質や糖質など、食べたものの吸収を阻害するもの

2。代替食タイプ

食事の代わりに食べるもので、カロリーが調節できるもの

3。運動療法補助タイプ

発汗、代謝を促進し、運動でのエネルギー消費を促進させるもの

4。食欲調節タイプ

食欲を抑制するもの

5。交感神経賦活作用タイプ

5番目の交感神経賦活作用タイプは、日本では認められないものが多く、リスクも高いと言えます。

比較的安全性が高く、効果もわかりやすいものとしては、代替食や運動療法補助などが挙げられます。

 

当たり前のようですが適切な栄養指導、生活習慣の改善や運動と組み合わせることで、はじめて健康的なダイエットが実現できるのは言うまでもありません。

 

メタボリックシンドローム予防のための完全なガイドラインは確定していないものの、毎日の栄養指導や運動指導を中心に、サプ リメントを効率的に摂取していくことが必要となってくると思われます。

今後様々な取り組みの中で、サプリメントアドバイザーの活躍が期待されることでしょう。

 

 

メタボリックシンドロームについてのリンク集

■厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/05/h0508-1.html

ポイント>>厚生労働省が発表した、メタボリックシンドロームについての報道資料のページです。

 

■科研製薬株式会社 http://metabolic.jp/

ポイント>>メタボリックシンドロームとは何か?用語解説から対策まで豊富な情報量のサイトです。

 

■日経BPライフスタイル健康コラム 

http://www.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/kenkou/selfcheck/342084

ポイント>>日経BPサイトの健康トピックで取り上げられているページ。チェックリストやメタボリックシンドロームを防ぐ10か条など、 ぜひチェックしたいサイト。

 

■ メタボリックシンドローム撲滅委員会 http://www.metabolic-sankei.jp/

ポイント>>産経新聞社およびフジサンケイグループ各社が厚生労働省の後援を得て、2006年に発足した「メタボリックシンドロー ム撲滅委員会」のサイト。

 

■ 京都市立病院のトピックス

http://www.city.kyoto.jp/hokenfukushi/siritubyoin/event/metabolic/metabolic.html

ポイント>>治療で行なう減量法を、病院の医師が写真やイラストで紹介しているサイト。

 

■ うらりねっと http://www.uralynet.com/index.html

ポイント>>メタボリックシンドローム他、高尿酸血症・通風や、肥満対策などの健康情報が掲載されています