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サプリメント関連ニュース
2015/11/27

NO.38 【キレる?老人の増加】

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最近は、老人の犯罪が増えているように感じています。
ご近所の方からは、とても良い人だったとか、そんなことをするような人ではないといった反応が返ってくることも多く、そんな方がなぜキレてしまうのか不思議に思います。

 

昔は、年齢とともに人は丸くなると言われましたが、違うのでしょうか?
丸くなる人もいれば、気難しさが増す人もいるのかもしれません。
最近起きている老人の犯罪は、丸くなるとか気難しくなるといった類のものではないように思います。

 

 

呂律がまわらないのは、本当に年齢のせい?

日本の高齢者の薬の摂取率は非常に高いですね。
複数の疾患を抱えて、複数の医療機関からお薬をもらって、多剤併用していることが多くなっています。
その結果、薬の相互作用などでの副作用が出現しやすくなっています。

 

高齢者になれば眠れないと訴える人が多いのか、ほとんどといっていいくらい睡眠薬を服用されています。

 

私の父も、以前眠れないからと睡眠薬を服用しており、途中でトイレに目覚めてまた眠れないから薬を飲む、と言った行動を取っていた時期がありました。
朝、呂律がまわらなかったり、足元がふらついてよく転んだりしていました。
自分では薬が残っているとは思わず、年齢のせいだと考えていたようです。

 

友人のお父さんは、車の運転でアクセルとブレーキを間違えて、壁に激突したといっていました。

 

 

高齢者は睡眠薬と精神安定剤の服用が多い

高齢者になれば、薬の代謝も悪くなるため、長時間に渡って薬の効果が残る場合もあります。

 

60代までの睡眠薬の服用率は数%なのに、60代になると急激に上がります。
80代では男性で10%、女性では22%を超えているそうです。

 

また、安定剤を飲まれている方も睡眠薬と同様に増えているように感じます。
眠れない、精神的に不安になるのは、年齢とともに活動量も減り、睡眠が少なくても良いと言うことでもありますし、できないことが増えてくることからくるあせりや悔しさ、悲しさが募ることも年齢を考えれば仕方がないのかもしれません。

それを、薬で片付けてしまっていいものかどうか…。

 

これらの薬が、高齢者の体に異常をきたしている可能性が高いのです。

 

 

睡眠薬や抗不安薬は認知症を起こしやすくなる?

精神疾患の治療のお薬の総称を向精神薬といいます。
その中には、抗精神病薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗そう薬、睡眠薬などがあります。
精神安定剤と呼ばれるものは、抗精神病薬、抗不安薬になり、働き方が異なります。

 

これらの薬には多かれ少なかれ副作用が伴います。
英国では、睡眠薬、抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)で、認知症を起こしやすくなるという研究結果が報告されています。

 

NHKのニュースでも放送されていましたが、精神安定をもたらすはずの薬なのに、暴力的な行動や異常行動、記憶障害、判断力の低下など、かえって症状を悪化させることが多くなっているといいます。

 

特に高齢者は、臓器の働きが弱くなっていますので、通常の量を処方されていても、倍以上の薬の作用が体に現れる可能性が高くなります。

 

 

依存性は麻薬や覚せい剤と変わらない

抗不安薬・抗うつ薬には依存性があることがわかっていて、製薬会社や精神科医も認めています。
麻薬や覚せい剤と何ら変わりないことが起きることになるわけですから、合法的か非合法だけで大差ないものと思われても仕方ないかもしれません。
それだけ強い薬であるという認識はもっと必要だと感じます。

 

認知症のせいだと考えられていた症状が、薬を減らすことで改善された例をニュースでは出されていました。
車の異常運転、認知症の進行なども、薬の影響がまったくないともいえないのかもしれません。

 

キレやすくなった、判断力の低下や記憶障害が増えたとご自分で感じる方、周りから見ていて以前とはずいぶん変わったと思われるご家族の方は、病院を変えてみる、薬の量を医師に相談するなどの対処を一度考えてみられることをお薦めします。



山田有希子(薬剤師・サプリメントアドバイザー・ナキュア代表)

   薬科大学卒業後、薬剤師や美容アドバイザーなどを経て2001年
   サプリメントショップを開業。個人顧客からメーカー企業まで幅広く
   事業を展開。日本ニュートリション協会会員。