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気象と健康
2019/07/17

天気痛は女性に多い?!原因を解明しよう

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日常的にデスクワークをされている方にとって、頭痛や肩こりは珍しくないことかもしれませんが、それが雨が降る前などに悪化する場合は「気象痛」かもしれません。

本記事では、気象痛の原因について解説いたします。

【目次】

天気痛が多いのは女性?男性?

天気痛とは、気圧、気温、湿度といった天気の変化により頭や関節、すでに治っている過去のケガ・傷などが痛むことをいい、気象病のひとつとされています。
この天気痛に悩むのは、男性よりも女性の方が圧倒的に多く、比率で7:3ほどにもなります。

なぜ、女性の方が多いかというと、女性はもともと28日周期で月経があることからもわかる通り、月の満ち欠け(=引力)に影響を受けやすいことが考えられますが、明らかになっていません。

引力は気圧を下げる働きをするため、女性の方が気圧の変化に敏感であるのかもしれまぜん。
また、片頭痛持ちの方は、気象の変化により痛みが悪化することがありますが、もともと日本人の片頭痛持ちのうち約70%が女性。同じく、気象変化により悪化するメニエール病やめまいも、女性患者の方が多いといわれています。

 

原因は女性の体形にもあります。なで肩で筋力の弱い女性の場合、重量のある頭部を支える首に負担がかかりやすく、肩こりにもなりやすいのです。

■天気痛は子どもでもなる病気

天気痛に悩まされているのは、実は大人だけではありません。子どもも大人と同じように気圧などの変化に影響されています。体が未発達な分、大人よりも気候の変化を受けているともいえます。

「天気が悪くなると、お腹が痛くなる」

「雨が降る前は気持ち悪くなる」

など、天気痛を抱えている子どもは35人クラスに2人くらいの割合で存在します。
子どもは、自分の体や心の不調を大人のようにうまく言葉で表現できないことから、親や教師など周りの大人に「気のせいよ」「サボりたいのでは?」「怠けている」と短絡的に判断されてしまうことも多いもの。

 

まだまだ認知度の低い気象病や天気痛ですが、身近に子どものいる環境にいる大人は、不調の訴えに耳を貸し、時には天気痛を疑ってみる必要がありそうです。

■自覚するために気を付けたいこと

その痛みが天気痛なのか、そうでないのかによって、予防法も対処法も変わってきます。
気象の変化によるものなのかどうかを判断するために、「痛み」にフォーカスした日記をつけて痛みの法則を把握することをおすすめします。

 

その日の天気と気温、気圧、症状と痛みの強さなどを継続して記録し、天気の変化と痛みに因果関係があるかをチェックしてみましょう。

■原因のわからない痛みは、天気痛を疑ってみる

痛みの原因はさまざまですが、はっきりした原因が思い当たらない場合は、天気の変化との因果関係を疑ってみると、解決の糸口がつかめるかもしれません。

まずは「気象病」「天気痛」の存在を知ることが第一歩です。
痛みと天気に関連がありそうだと思ったら、ぜひ痛みの日記をつけて客観的に把握してみましょう。

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監修:舟久保恵美

医学博士
天気と痛みの関係の謎を解くため名古屋大学大学院医学系研究科で研究し医学博士号取得。
専門は生気象学。健康相談・保健指導にあたりながら、気象痛のメカニズム、
低気圧による痛みの悪化のメカニズム、内耳と気圧の関係について研究している。